鹿児島県中学校国語教育研究会
「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を通して「ことばの力」を高める国語科教育の創造
ここで述べられている研究方針は、本会独自の新たな教育理念を打ち出したり独自の教育方法論を述べたりするものではありません。鹿児島県の国語科教育のこれからを考えるときに、学習指導要領や令和の日本型教育のどこに注目すべきかを整理すること、また、これまで培ってきた研究を継承して未来の国語科教育へつなぐことを目的として執筆しました。
そのため、学び続けることができるように参照元となっている文献にはリンクを貼ってあります。本方針は、諸文献の一部を引用しているので分かりにくい部分もあるかと思います。ぜひ、リンク先文献もご参照ください。後に少し触れますが、令和の日本型教育においてICTを推奨しているのは、学習する主体が学び続けるためでもあります。本研究方針をこれまでの紙媒体ではなくネット上で公開しているのも同じ理由です。 なお、本研究会の理念が伝わるように指導の具体例をいくつか挙げていますが、あくまで例の一つであり、絶対的なものではありません。鹿児島県の国語科教育に携わる先生方が、主体的に対話しながら、協働的に、調整しながら、指導改善を図る一助になることを願って、以下に本会の研究方針を提案します。
学習指導要領においては、厳しい挑戦の時代、予測が困難な時代を迎えるにあたり一人一人が持続可能な社会の担い手として新たな価値を生み出していくことが期待されています。
学校教育に求めることとしては次のようなものが挙げられています。なお、引用のページ数はすべて「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語科編」によるものです。
・他者と協働して課題を解決していくこと ・様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと ・複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすること (「学習指導要領」総説 1p)
「他者と協働して課題を解決していくこと」に関しては、次のように記述されています。
多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう,各教科等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。 (「学習指導要領」総則 154p)
「様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構成する」に関しては、次のように記述されています。
学習の対象となる物事を捉え思考することにより,各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていく。 (「学習指導要領」総則 153p)
生徒が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。 (「学習指導要領」総則 154p)
「目的を再構築する」に関しては、次のように記述されています。